プロダクト開発部_2022年振り返りと2023年抱負

この記事は Howtelevision Advent Calendar 2022 25日目の記事です。

24日目は長期インターン小川さんのTFX×Hugging FaceのML Ops振り返り:Runtime ParameterとCustom ComponentのTips - Qiitaでした

自己紹介

こんにちは!ハウテレビジョンでプロダクト開発部の責任者をしております佐々木と申します。

簡単に自己紹介しますと、5年ほど前にハウテレビジョンにジョインしまして、以下のようなキャリアを歩んでおります。

  • 2017年〜 Liiga事業部長 + プロダクト部長
  • 2019年〜 外資就活ドットコム事業部長
  • 2020年〜 COO→CAO→戦略PJT推進室長
  • 2022年〜 PdM部長→プロダクト開発部長

プロダクト組織の責任者は今年の4月から担当しており、およそ3年ぶりの復帰となります。

このエントリーでお伝えしたいこと

プロダクト組織の責任者に3年ぶりに復帰してみた当初「これは組織課題だなー」と思ったことがいくつかありました。 本日は、ハウテレビジョンのプロダクト組織にどんな課題があって、どのように立ち向かってきたか、そして今後どのようにしていきたいかをまとめてみます。同じような課題に立ち向かっている方々に何か参考になればと。そして、ハウテレビジョンの現状が少しでも伝わると良いなーと考えています。

(前提)ハウテレビジョンの5Value

ハウテレビジョンでは、5つのバリューを制定しており、これらを体現することを目指しています。

ハウテレビジョンの5Value

今日は、これら5つのバリューに照らし合わせて、課題だなと思ったこと、そしてその課題にどう立ち向かったかを、記していこうと思います。

Users First - KPIに執着する -

Users First(ハウテレビジョンHPより)

5つのバリューの中でも、Users Firstについては、ハウテレビジョンで議論を交わす時に、とても頻繁に出てくるコトバです。詳しくは、他の方の書いた記事をご覧いただければと思います。

qiita.com

qiita.com

復帰当初に感じたのは、ユーザーに寄り添う組織にはなっているものの、何か追いかける数字(KPI)のようなものが、具体的に定まっていない/曖昧なところでした。僕自身もそう思いましたし、実は他部署(BizDevやMarketing)からも、そのような指摘を受けていました(少し脱線しますが、仲間からこのようなTransparency高い指摘が入るところが、ハウテレビジョンの良さだなとも思ってます)

そこでまず、各プロダクトのProduct Managerと「このプロダクトを使ってくれていることを測るKPIは何か」を議論し、各人の評価(ミッション)にKPI数値目標を入れることから始めました。事業をグロースするためには当たり前のことかもしれませんが、BizDevやMarketingだと「売上」とか「会員数」など、分かりやすいKPIを置くことができる一方で「ユーザーに寄り添っているKPI」って結構難しくて、曖昧になっていたと思います。ただ曖昧な状態にしておくと、メンバーによって重視しているKPIが異なり、開発の優先順位なども定まらないことが多いので、ここは丁寧に摺り合わせをしました。

また、KPIを決めた後も「どのKPIを追いかけているかが分からない」「KPIの推移が分からない」という声がありましたので、毎週のプロダクト開発部の全体MTGで、各プロダクトのKPIがどのようになっているかを共有する時間を取りました。こうすることで、少しずつメンバー全員が、KPIを意識する/執着する土壌ができてきたんじゃないかなと思います。

8ヶ月ほど経った今では、KPIがコレで、それを上げるための優先順位高い開発はコレ。逆にこの開発は重視しているKPIでないものをあげる施策だから、優先順位を低くするというような、KPIについて議論するコミュニケーションが生まれるようになりました。数値共有の場でも「このKPIなんでこんな上がったの/下がったの?」「このKPIは見なくてよいの?」というような問いが出てきたことも、良い傾向なんじゃないかなと思っています。

Transparency / Respect - コミュニケーション -

Transparency(ハウテレビジョンHPより)

Respect(ハウテレビジョンHPより)

ここに関しては、アドベントカレンダー5日目に、結構詳しく書いたので、お読みいただければ幸いです。TransparencyやRespectを醸成するには、一定のコミュニケーションが必要である一方、コロナ禍で難しいところがあります。思い切ってコミュニケーションの場を作ることで、醸成することができ、最高の夏の思い出になったという記事となります。

kotaro0533.hatenablog.com

Ownership / Challenge - メンバーを信じる -

Challenge(ハウテレビジョンHPより)

Ownership(ハウテレビジョンHPより)

5つのバリューの中で、ここが一番課題を感じたところでした。上述したことと矛盾があるような言い方になりますが、開発の優先順位(緊急度)って、どうしてもKPIを上げる開発が高くなりがちで、メンバー自身がChallengeしたいことって、後回しになることが多く、そうなると、エンジニアのモチベーションってなかなか上がらないことってあるのではないでしょうか。思い返すと、当時はそんな状態でした。

外資就活ドットコムはリリースして13年が経っていますが、大きなリニューアルをしたことがなく、13年分の技術的負債が溜まっていました。そのような中、BizDevやMarketingからくる、スピーディーな対応を必要とする要望がガンガンくるので、レガシーな部分が減るどころか、増えていくというスパイラルに陥っていました。

そんな中「今の改修スピードを止めずに、技術的負債を解消する」というChallengeがしたいと、多くのメンバーから意見がありました。僕はその話を聞いた当初、かなり難易度の高いChallengeだなと思いましたし、そのChallengeをするという判断ができないでいました。ただみんなと議論する中で「マネージャーの仕事って、メンバーを信じることだよな。このメンバーだったら、やり切れるんじゃないか」と思える瞬間が多くありました。そこで、メンバーを信じてやってみることにしました。

結果としては、計画していたスピードで技術的負債を解消することはできていないのですが(そもそも計画がだいぶ難易度高いものになっていた気もします)今の改修スピードを止めずに、技術的負債を解消することができ始めています。メンバーのみんなを信じることができて、本当によかったなと、今では思っています。

2023年はどんな1年にしたいか

ということで、今年は5Valueのそれぞれに対して、上記のような課題があり、少しずつ乗り越えることができるようになってきています。当社は企業理念に「能力開花」を掲げているのですが、プロダクト組織の「能力開花」が少しずつできてきたように感じます。では、来年はどんなことをやっていきたいかについても、お話しできたらと思っています。

①プロダクト横断での「能力開花」

ハウテレビジョンでは、外資就活ドットコム、Liiga、Mondという3つのプロダクトがあり、それぞれ所属する「個人」であったり「チーム」であったりの「能力開花」は、できてきたかなと思います。来年はこれを、プロダクト横断の「能力開花」にできたらと考えています。どうやってそれを実現するかは試行錯誤中なのですが、組織体制だったり組織制度を大胆に変えることで、実現できるんじゃないかなと考えています。もし同じような課題に立ち向かっている方がいらっしゃいましたら、ぜひアドバイスいただけたらめちゃくちゃ嬉しいです!

②AI・機械学習へのChallenge

先日、経営会議で「AIは、成長戦略じゃなくて生存戦略になってるよね」という話で盛り上がりました。AIによって、アップデートできることは無限にあります。昨日のアドベントカレンダーを書いてくださった長期インターンの小川さんですが、MLの勉強を始めたのは1年弱でして、それでここまでのコトができちゃうんだなとびっくりしています。プロダクト開発全体で、AIにChallengeしていくような仕組みをいれていければと思っています。

③技術的負債の解消/技術基盤のアップデート

技術的負債の解消に関しては、長い道のりになりますが、来年も一歩一歩進んでいければと思います。当社の開発チームであれば、やってくれると信じています。また、技術基盤のアップデートもどんどんやっていければと思っています。就職活動って、志望している企業やジョブが時々刻々と変化していく活動であります。ある時コンサルティングファームに行きたいと思っていた就職活動生が、次の瞬間には商社が第一志望になったりしますし、WEBにはそのような行動履歴が残ります。この辺のデータを活かしながら「レコメンド」「パーソナライズ」の精度を上げていければと考えています。これも当社の開発チームであれば、やってくれると信じてやみません。

信じてやまないのですが、もっと仲間がいれば、もっとスピーディーに、精度高く開発ができると考えています。 ハウテレビジョンは積極的にエンジニアの採用を行っております!ぜひ、一度ランチとか飲みとか行きながら、おしゃべりしましょう!

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